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『”Butch Cassidy and The Sundance Kid”』Original Score Composed and Conducted by Burt Bacharach『”明日に向って撃て!” オリジナル・サウンド・トラック』

『From The 20th Century-Fox Production “Butch Cassidy and The Sundance Kid”』Original Score Composed and Conducted by Burt Bacharach
『20世紀フォックス提供 “明日に向って撃て!” オリジナル・サウンド・トラック』
FML 141

キングレコード/A&M
1975年

 映画『明日に向って撃て!』のサントラ盤。これは日本公開から5年後の1975年にリバイバル公開された時に出た再発盤なんですが、裏ジャケに大きく場面写真と日本語のタイトルロゴが載っているのが良いですね。ちなみに裏ジャケのロゴが初公開時のもので、帯とライナーにあるのが再公開から現在まで使われているロゴです。

 ところで裏ジャケの写真、レッドフォードはともかく、こちらに向かってお尻を向けて倒れ込んでいるポール・ニューマンがメチャクチャかっこ悪い。こんな姿がデカデカと載ってしまって、本当にこれで良かったんでしょうか。地味~左右が湾曲していて、映画館のスクリーンっぽくデザインされてもいるんですが、これも言われてみれば気づかない程度。それでもいいのだ、というこの「細かいことはいいんだよ精神」が素晴らしい。

 解説は朝妻一郎さん。1970年当時の世界的なバカラック・ブームを振り返りつつ、70年代は今ひとつ精彩を欠いていたバカラックの状況を、ハル・デヴィッドとのコンビが疎遠になっていたことを絡めて説明している素晴らしい文章です。

 主題歌の「雨にぬれても」は言うまでもなく、一聴して呑気で楽天的に思える中に、ちょっとした憂いというか哀しみ、そして張り詰めた空気が感じられるバカラックの音楽の魅力が端的にわかるような気がします。実際の映画に使われているすべての曲が入っているわけではないですが、アルバムとしてのまとまりを優先させて、独立した1曲1曲を長めに聴かせてくれるおかげでしょう。映画の伴奏として作られる多くのサントラ盤のなかで、映画とセットでなくても楽しめる、数少ない作品だと思います。

 強盗の場面で流れるスキャットの名曲「South American Getaway」、コラージュ写真だけで描かれるニューヨークの場面(なぜか観るたび号泣してしまう)で流れる「The Old Fun City」など、有名曲以外も一度聴いたら忘れられない最高のメロディの宝庫です。

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