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『昭和40年男Vol.76』の特集『俺たちニューミュージック世代』でたくさん取材・寄稿いたしました。岸田敏志さん、新田和長さんインタビューなど。

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まずニューミュージック、というくくり方がいいですよね。アーティストが自分で曲を作る非歌謡曲は基本的にすべてニューミュージック。ロックもシティポップもフォークも全部ここ。この手のジャンル論は言い出すと本当にキリがない。たしかにそれぞれのジャンルに代表的なアーティストはいるけども、歌謡曲に対抗する存在として70年代の半ばに大きなムーヴメントになっていたニューミュージックには細かいジャンルは違えどアーティスト同士で共有されるポリシーやスタンスがあったように思うし、どこのジャンルにも当てはまらない、まさに「ニューミュージックの王道」と呼ぶべき人たちもいた。例えばこの雑誌でインタビューされている岸田敏志さんや渡辺真知子さんはまさに、ニューミュージックが大衆に浸透していく過程で出るべくして出てきた、中庸的で受け入れられやすい音楽性を持ったアーティストだった、と思うわけです。

私の戯言はともかく、まず担当したのが「きみの朝」が大ヒットした岸田敏志さんへのインタビュー。幅広い作風なのにあまりそれを押し出してこない端正な魅力というのでしょうか。クセが強いところもあるんだけど、それが適度で強すぎない。しかもこの方は俳優さんでもある。当時もニューミュージックの流れに合流するようなかたちで、桃井かおりさんや水谷豊さんのようにアーティスト活動をする俳優さんがいましたが、岸田さんはその逆。まずフォークシンガーとしてデビューして、それから俳優としてドラマに出てブレイク。後の福山雅治さんのパターンと言えばわかりやすいかも。このあたりの話はご本人も何度もいろんなところでお話していることだと思うので、普通ならあまり突っ込んで聞かないようなことをディープに詳しく質問してみました。

それから、東芝エキスプレス・レーベルの新田和長プロデューサーへのインタビューを、馬飼野元宏さんと2人がかりでじっくり。ユーミン、オフコース、アリス、尾崎亜美、ダウン・タウン・ブギウギ・バンド、ハイ・ファイ・セット、りりィ、浅川マキ、ジローズ、寺尾聰、稲垣潤一……新田さんが直接手掛けたチューリップ、甲斐バンド、サティスティック・ミカ・バンド、はしだのりひことクライマックス……質の高いサウンドと商業的な成功を見事に両立させてニューミュージックで中心的な役割を果たしていたレーベルということがこの顔ぶれを見ているだけでよくわかります。所属アーティストは個性豊かだけど、そこにはやはり東芝エキスプレスのカラーというものがあって、今で言うフェスのようなイベントを開くことも多かった。例えば1973年の『ラブ・ジェネレーション・ライブ・コンサート』。日本武道館にアリスもチューリップもオフコースも集まったすごいイベントで、しかもみなさんブレイク前という。当時観に行った人は相当の慧眼でしょう。このレーベルのポリシーがいかに先進的なものであったか。時間の許す限りお話を伺いました。

それからプロデューサーとミュージシャンについてのコラム。重要人物やグループの名前を少しでも漏らさずように盛り込みつつ、60年代から70年代、80年代へいろんな流れが合流しつつJ-POPになっていきますよ、という内容。まさに「戦後ニッポンのロック・ポップス史の実況中継」の成果を披露するチャンス。個人的に突き詰めていきたい日本のポップス・ヒストリーの概論です。

で、ご褒美というわけではないけれど、馬飼野さんと好きに選んでよろしいということで趣味全開で書かせてもらったのが「隠れた名曲・名盤」コーナー。もちろんですがこれはほんの一部です。70年代後半に絞ってアルバム9枚、シングル4枚を厳選しました。先日43年目にして初CD化のブルーベリー・ジャムはここに登場。未CD化、あるいはCDが廃盤で、レコード屋さんに行くしかないという盤も半分近くあります。

それから自分の担当記事じゃないんですが、ジョン・レノンの訃報についての記事があります。事件当時、ファンクラブの会長も務めておられた松本常男さんがインタビューで当時の心境を語っていますので、ビートルズファンはこれ必読です。それにしても、目次の隣にある名言コーナーで新田さんのすぐ下がスタン・ハンセン、アントニオ猪木。これはちょっとすごい並び。いろんな人が出てくるから面白いのが雑誌です。

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