Various Artists『バート・バカラック・グレイテスト・ソングス』
UPS−1178−S
テイチク/SCEPTER
バカラック門下のディオンヌ・ワーウィック、「雨にぬれても」のB.J.トーマスらが所属していたセプター・レコードの音源から、同レーベルの販売権を持っていたテイチクが編集した、日本オリジナルのバカラック作品集。ファンにはおなじみの楽曲に混じって、数合わせで入れられたとおぼしきマニアックな曲が。解説は岩浪洋三先生。
中でもマキシン・ブラウンが歌っている「I Cry Alone(ひとり泣く)」が大変素晴らしい。もともとはディオンヌのファースト・アルバムに入っていた曲でこちらはそのカヴァー。
ハル・デヴィッドの歌詞がまた輪をかけて素晴らしい。簡単な文なのに、行間の情報量がすごくエモーショナルで、ちょっと聴いただけでたちまち歌詞の内容が耳から飛び込んでくる。演奏も素晴らしく、こらえきれない涙のように最後の最後で入るオルガンでもらい泣きしました。
聴き比べてみたら、マキシンのバージョンはディオンヌのカラオケを転用してたことが発覚。まぁ、同じレコード会社ですからね。
「I Cry Alone」(邦題:ひとり泣く)
作詞:ハル・デヴィッド(訳:私)
私はひとりで泣いている
誰も話を聞いてくれない時
友だちが来て励ましてくれる時は
笑って言う「大丈夫みたい」って
でも、私はひとりで泣いている
あなたのいないさみしい夜はいつも
でも、みんながあなたのことを話している時は
もう悲しまないって信じられるけど
そしてここは私の部屋
誰も私を見つけられない場所で
後ろのドアに鍵をかけ
それから私は泣いている
お願いだから帰ってきて
私のもとへ帰ってきて
どんなに口づけしたいか
友だちが「さみしくないでしょ」って言うけど
みんな知らないんだから
私がどんなに泣いてるか
友だちが「さみしくないでしょ」って言うけど
みんな知らないんだから
私がひとりで泣いてるって